永遠と一瞬は正反対に見えて実は限りなく類似しているものなのかもしれない。 うとうと。 うとうと。 窓から零れ落ちてくるおひさまの光が とても暖かくて気持ちよくて。 現実とユメの間を うろうろうろうろ。 「お前の髪の匂いがする。」 太陽の光は。とサバタが呟いたような気がした。 これはユメが現か一瞬だけ悩んだけれど。 「太陽の光に匂いなんてないんじゃないの?」 「…お前の鼻は食料にしか反応しないようだな。」 失礼な。 ボクだって食べ物以外の匂いだってちゃんと分かる。 そう思ったけれど睡魔の方が強くて、否、これが夢なのかもよく分からなくて でもこれはきっと現実の出来事 だって、 少し乾燥した土の匂いとか 洗濯物の洗剤の匂いとか それを心地よい風が運んできてくれているのが分かる。 「俺の護りたい物は」 「この光と、風の香りだ。」 「…一緒に、護っていこうね。これから、ずっと、ずっとね…。」 この戦いは永遠に、永遠に続くだろう。 ボクもサバタも、 戦い続ける理由はそれこそ狂気なほどに限りなくシンプルだ。 『大切にしたいとおもう。 だから守りたい。』 この小窓から振り堕ちてくる天上の光を、 風が運んできてくれる、 たくさんのたくさんの優しい香りを。 「あのさ」 「なんだ。」 「ボクらが今見ている景色とか、 綺麗だなとか思う思いとか。 この風の匂いとか この太陽の温かさとかさ そういうのをどれだけ長い時間が経ってもさ 他の誰かに伝えられたらいいのにって、思う。」 お日様の暖かさにいざなわれ ゆっくりゆっくり夢の中へ。